少し前、ちょっと油断をするとアゴの調子が悪くなるという顎関節症に悩まされていました。それで歯医者さんに行ったら「ああ、もうすぐ口が開かなくなる日も近いですね」と脅された後、「顎関節症のほとんどの原因はストレスです」と言われました。悔しさから無意識のうちに歯を食いしばり、それでアゴがおかしくなるということらしいのですね。まったく自覚がなかったですが。それで意識して暮らすようにしたら、少しずつ調子がよくなってきました。しかし何にせよ「ストレスが原因です」と言われると、何だかちょっと偉くなったような気がしますな。

さてアゴの調子が悪いときは、弾力性のあるものや固いものが食べられなくなるわけですが、それで気づいたわけですね、ドイツの食べ物はアゴの強さを前提に成り立っているものが多い、ということに。
そして私は昨年、不安定なアゴを抱えてバイエルン州ニュルンベルクにたたずんでいました。ここは市街中心部で10メートル置きくらいにブレッツェル屋さんが並んでいるというブレッツェル文化圏(写真=上)。そして困ったことに、バイエルン州で食べるブレッツェルって格別においしいんですよね。パリッとした表面の皮と中のもちっとしたパン生地のコントラストが絶妙で、そしてそれを噛み砕くためには、強靭なアゴが必要とされるわけです、ということに今回初めて気づかされました。

そしてご覧下さい(写真=上)。バイエルン人たるもの、輪っかの形をした平たいブレッツェルを水平にスライスしてバターを塗るという高度な技術を、子供のときから習得しているものなのですね! しかしブレッツェル・スタンドでは、パン用のスライサーを使ってこの難技を成し遂げていることを発見し(写真=下)、少し過熱気味のテンションが下がりました。

ちなみにバイエルンでは「ブレッツェル」ではなく「ブレーツェン」というのですね。ニュルンベルクのブレッツェル・スタンドチェーンの名はその名も「ブレーツェン・コルプ」。「おそ松くん」をほうふつとさせるキャラクターが看板になっています(写真=下)。

バターも何もついていないプレーンのブレッツェルで1個80セント(写真=下)。これ1個で、移動中のお昼代わりにもおやつ代わりにもなります。次回はアゴの調子を万全に整えて、ブレーツェン三昧したいものです。

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